2017年10月13日 (金)
払い過ぎた固定資産税を取り返す|国際観光ホテル整備法
事例概要
条例により固定資産税の軽減措置が定められているにも関わらず、高い固定資産税を払わされているホテルで、払い過ぎた固定資産税の取り戻しに成功しました。
ポイント
国際観光ホテル整備法という法律に基づき、国際観光ホテルとして登録されているホテルには固定資産税の軽減措置がとられています。
※固定資産税の軽減措置がある自治体
ところが、あるホテルは国際観光ホテルに登録されているにも関わらず、通常と同じ税率で固定資産税の徴収をされていました。
市役所とのやり取りの結果、払い過ぎていた固定資産税136万円と還付加算金を取り返すことができました。
プロジェクトを振り返って
固定資産税は、法人税や消費税と違い、自治体が納税額を決定し、納付書を送付してきます。よく注意していないと誤った納税額で納付してしまうこともありますので注意が必要です。
特に、「前年より固定資産税が高くなっている場合」や「自社が国際観光ホテルとして登録されているのに、通常と同じ税率(1.4%)で固定資産税を払っている場合」にはその可能性が大きいです。
(参考資料)
・課税誤りのお詫び
・平成29年度固定資産税課税通知書(誤りがあった年)
・平成28年度固定資産税課税通知書(正しい課税がされた年)
報酬額 |
40.8万円(成功報酬の30%) |
要した期間/頻度 |
2ヶ月 |
2017年06月06日 (火)
減資(大法人から中小法人)による節税
事例概要
資本金1億2,000万円の大法人であった企業が「減資」をして中小法人へ移行することで、大幅な節税ができました。
前提条件
・資本金
(変更前)1億2,000万円
(変更後)1億円
・税引前利益:1,700万円
・交際費:1,000万円(内、飲食費400万円)
節税効果
年間節税額:400万円
内、交際費の損金算入額の増加等:277万円
内、外形標準課税:94万円
内、法人住民税均等割:29万円
必要な手続き

※株主総会から登記まで約2ヶ月かかります。
※②の債権者保護手続とは取引先や銀行などに対して、1ヶ月以上の期間をおいて公告と個別通知をすることで異議申述のチャンスを提供する手続きです。
報酬額 |
総額:30万円
内、法定実費18万円(登録免許税・官報掲載料) |
要した期間/頻度 |
約2ヶ月 |
2017年05月12日 (金)
業績が悪化した法人の社長借入金/貸付金処理
事例概要
ご高齢の社長が、法人に対して1千万円以上の貸付をしていました。業績が不調であり、返済することがかなり困難であることが想定されていました。
ポイント
社長が資金繰りが厳しい時期に法人に対して貸付を行うことはよくありますが、法人に対する貸付金は原則として相続財産に含まれてしまいます。
対応策
方法としては、相続が行う前に①資本金への振替、②債権放棄(法人にとっては債務免除)などが考えられますが、状況を考えると②債権放棄が望ましいと判断したため、債務免除を行いました。
プロジェクトを振り返って
社長は、株価評価は気にかけていましたが、「特に業績が悪い会社の貸付金が、まさか相続財産になるなんて・・・」と仰られていました。こちら側が先回りして話をしていく必要があると感じました。
2017年02月03日 (金)
外国人投資家の日本への不動産投資申告(納税管理人)
事例概要
中国人(メインランド)の投資家が日本不動産に投資するにあたり、納税管理人と税務申告を御依頼いただきました。
ポイント
まず、投資形態について、法人形態と個人事業形態との有利不利を、また消費税の課税事業者選択の有利不利を検討しました。また、法人形態と個人事業形態との税務上の有利不利判定では、外国人が日本不動産に投資する場合、原則個人住民税(10%)が発生せず、また、一定の要件を満たす場合 事業税(5%)がかからないため、これを考慮した上で、 中国本土の課税関係まで含めて検討する必要がありました。
対応策
試算をした結果、現状の投資規模においては法人を設立するよりも個人事業として投資し、納税管理人を立てる方が税務上有利になることが判明したため、個人事業として投資することなりました。
プロジェクトを振り返って
外国人投資家が日本不動産に投資する場合には、日本人が個人事業主から法人化する場合とでは、個人住民税及び事業税の点で異なります。
2016年05月20日 (金)
不動産管理会社の事業承継
事例概要
依頼者様の資産家の父親が かつて相続税の節税目的で設立した不動産管理会社を現在の税制度に合わせて仕組みを再設定し、節税につながった事例
ポイント
決算書及び概況ヒアリングから現状を分析すると、負債は主に関連会社と父親個人借入の2つであり、外部借入はありませんでした。
しかし、借入金の返済原資を確保するため、役員報酬を低く抑え、利益を確保すると同時に法人税を支払、内部留保が増加している構造が継続していました。
この現状が継続すると、①内部留保が高まり 相続税の株式評価額が増加する ②相続税評価上、不動産管理会社に対する個人貸付が金銭債権評価されてしまう という問題がありました。
対応策
所得税と相続税、法人税の各種税制度の中から、どの「課税ゲート」を通すことが有利になるのか、試算する必要がありました。
①役員報酬を増額させることで内部留保の増加を減少、相続税評価額を減少させる
②金銭債権と所有不動産を一部交換することで、相続税評価額を減少させました。
プロジェクトを振り返って
税制度は変更されるため、かつて有効だった節税策が現在では賞味期限切れになっている可能性があります。特に一度決めるとその後は設計どおりに動くため、数年に一度は見直しが必要になります。
2016年05月05日 (木)
太陽光発電事業の設計
事例概要
「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」の流れを受け、太陽光発電事業を行うことになったご依頼者様がいらっしゃいました。
事業を行うにあたっての事業形態(個人/法人)の選択、償却方法(定率法/定額法)の選択、リースと購入の選択のどれが税務上有利なのか?を調べて欲しいという御要望がございました。
ポイント
太陽光発電事業については、事業形態(新設法人パターン、既存法人パターン、個人事業パターン)に加えて、消費税の課税事業者選択シュミレーションを行う必要がありました。
消費税は、資本金が10百万円未満等の一定の要件を満たすと、設立から2年間免税事業者となります。このため、免税事業者を選択すると、2年間分の売電収入は免税となります。しかし、初年度に設備投資を行うため、設備投資の還付を受けられなくなるというデメリットもあり、タイミングを逃すと還付を受けられなくなるなど、特に注意が必要となります。
対応策
試算の結果、消費税の還付を受ける方が有利であり、また、新設法人を設立し、相続対策として株主及び取締役は御子息にするよう設計しました。
プロジェクトを振り返って
原発に代わる代替エネルギーが安定供給されることを願っています。
報酬額 |
顧問報酬に含む
スポットの御提案の場合:10万円 |
要した期間/頻度 |
1ヶ月 |
2016年01月27日 (水)
居住用不動産の売買手続き
事例概要
1.現在お住いのマンションの名義をA様(ご両親)からB様に変更したい
2.名義変更にあたり、A様(ご両親)へお金を払う(贈与ではない)
ポイント
上記の不動産売買の手続きを行うにあたって必要な事項は次の4つです。
【1】マンションの価格査定 →税理士に依頼
「支払う金額をいくらにするべきか」という問題があります。親子間の不動産売買の場合、金額が高すぎたり、低すぎたりすると余分な税金がとられてしまうことがあります。余分な税金を取られないためには、そのマンションが「税務署から見ていくらの価値があるのか」というのを調べる必要があります。
【2】譲渡契約書の作成 →司法書士に依頼
親子間の売買であっても、契約書を作成する必要があります。
【3】所有権の移転登記 →司法書士に依頼
”法務局”という役所で、マンションの名義変更をします。
事務仕事に相当慣れている方であれば、自分で手続きをすることもできますが、普通は”司法書士”という専門家に依頼します。
”司法書士”への手数料は、【2】の契約書の作成も含めて、7万円くらいです。
また、”司法書士”への手数料の他に、名義変更のために”法務局”に対して”登録免許税”を支払います。”登録免許税”は”司法書士”がいったん立替てくれて、手数料と一緒に”司法書士”に支払います。
【4】所得税(贈与税)の確定申告 →税理士に依頼
毎年、3月15日までに前年分の「確定申告」をすることになっていますが、マンションを売却したご両親も確定申告をする必要があります。
ただし、マイホームを売った場合には儲けの3,000万円までは税金がかかりません。
税金がかからない場合でも、確定申告が必要なこともあります。
コスト
①登録免許税
・物件価格の2%
・名義変更登記をするとき
・司法書士に立替てもらって、手数料と一緒に払う
②不動産取得税
・物件価格の3%
・名義変更登記をした後、半年後くらい
・役所から納付書が届くので、銀行で納付する
③譲渡所得税/住民税
・売却利益の20%
(マイホームの場合は3,000万円までは無税)
④専門家手数料
・司法書士 ・・・7万円前後
・税理士
確定申告が不要な場合・・・3万円~
確定申告が必要な場合・・・10万円~
※物件の規模や評価の複雑さで変わることもあります。
プロジェクトを振り返って
ご自身ですることもできますが、「税理士」と「司法書士」に代理でやってもらう方が多いです。
弊社にご依頼いただければ、提携している司法書士がいますので、ワンストップで手続きできます。
報酬額 |
10万円~
(上記には司法書士報酬7万円が含まれています。) |
要した期間/頻度 |
1か月 |
2016年01月01日 (金)
子会社が有する繰越欠損金を活用(適格合併)
事例概要
繰越欠損を有する休眠子会社を有する方が日経新聞を読み「連結納税」に興味を持たれ、“うちでやれないだろうか”という話になりました。
ポイント
「連結納税」は構造的/経常的に黒字が出る会社と赤字が出る会社をグループに有する場合に適しているのであって、「連結納税」よりも既存の繰越欠損金を活用できる「適格合併」の方がマッチするという意見が出ました。
対応策
繰越欠損金を活用できる期限が迫っている中、税務上及び法律上、問題が出ないような「適格合併」を行うため、合併契約書作成/臨時取締役会/臨時株主総会/官報公告/債権者異議手続/合併登記までを漏れなく行う必要がありました。
加えて、社内決算書の外部公表をできる限り目が触れないようにしたいとの御要望があったため、HPでの開示を官報参照+官報公告(紙)を活用することとしました。
適格合併の手続きまで3週間足らずで完了させ、税額で大きな差が出ました。
プロジェクトを振り返って
税制改正により、税法上の大法人は今後より繰越欠損金の活用が難しくなっています。大法人と中小法人の差が大きく開かれるようになってきております。