2016年09月28日 (水)

【印紙税を非課税にするには、海外で契約をすればいい!?】

1.海外で契約した契約書には、「印紙税」はかからない!

なんと、海外で作成された契約書は、印紙税の対象になりません。

国税庁のタックスアンサーから引用します。
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/inshi/06/02.htm

【照会要旨】
当社は、アメリカのA社と不動産の売買契約を締結することになりましたが、その契約書は、まず当社において2通作成し、それに代表者の署名押印をして相手方に郵送します。A社は、これに署名し、そのうちの1通を当社あてに返送してきます。このような方法で作成する売買契約書に対する印紙税の取扱いについて説明してください。

【回答要旨】
印紙税法は日本の国内法ですから、その適用地域は日本国内(いわゆる本邦地域内)に限られることになります。
したがって、課税文書の作成が国外で行われる場合には、たとえその文書に基づく権利の行使が国内で行われるとしても、また、その文書の保存が国内で行われるとしても、印紙税は課税されません。
 つまり、ご質問のような方法で作成する文書は、いつ、どこで作成されたものであるかを判断すれば、課税となるかどうかが決まることになります。
…(中略)…契約書のように当事者の意思の合致を証明する目的で作成する課税文書は、その意思の合致を証明する時になります。
ご質問の契約書は、双方署名押印等する方式の文書ですから、貴社が課税事項を記載し、これに署名押印した段階では、契約当事者の意思の合致を証明することにはならず、その契約当事者の残りのA社が署名等するときに課税文書が作成されたことになり、その作成場所は法施行地外ですから、結局、この契約書には印紙税法の適用はないことになります。
ところで、返送された1通の契約書は貴社において保存されることになりますから、いつ、どこで作成されたものであるかを明らかにしておかなければ、印紙税の納付されていない契約書について後日いろいろトラブルが発生することが予想されます。したがって、契約書上に作成場所を記載するとか、契約書上作成場所が記載されていなければその事実を付記しておく等の措置が必要になります。
また、文書の作成方法がご質問の場合と逆の場合、つまり、アメリカのA社において課税文書の調製行為を行い、A社の署名等をした上で貴社に送付され、貴社が意思の合致を証明する場合には、貴社が保存するものだけではなく、A社に返送する契約書にも印紙税が課税されることになります。

つまり、海外で作成された契約書は、印紙税の対象にならない ということなのです。

2.パターン分け

印紙税がかかるorかからないということについて、パターン分けをした場合、B社の印紙税は、下記の通りになります。
①A社が日本で調印し、B社が日本で調印したケース…印紙税の対象(通常のケース)
②A社が海外で調印し、B社が日本で調印したケース…印紙税の対象(効力の発生はB社が調印したタイミング)
③A社が日本で調印し、B社が海外で調印したケース…印紙税の対象外(効力の発生はB社が調印したタイミング)
④A社が海外で調印し、B社が海外で調印したケース…印紙税の対象外(そもそも日本の法律の対象外)

これは別に、A社とB社がともに日本法人同士だった場合でも、同様の帰結になるはずです。

となると、

「俺、海外で契約して来たってよ! スキーム」とか、
「治外法権の大使館に駆け込んで押印してきたんだよ!」とか、という輩が出てくる可能性は捨てきれません。

3.ただし…

ただし…海外では海外の印紙税がかかるケースもあります。
例えば、中国では、0.005~0.1%の印紙税が課税対象になったりしています(中華人民共和区国印花税暫行条例 第1~3条)

「俺、海外で契約してきたから、日本の印紙税はかからないんだぜ!」
と言ってる人も海外の印紙税の対象になっているかもしれません…

 

ご参考になれば幸いです。

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