2016年02月27日 (土)

継続的な節税効果「社宅契約」の実務

巷の本によくある「社宅契約による節税」実際のやり方と留意点をまとめました。
継続的な節税効果「社宅契約」の実務_社宅徴収額計算シート.xlsx
社宅契約書(ひな形).docx

1.社宅契約を締結した場合の節税効果

役員社宅にした場合には、下記の金額分の節税効果があります。
A:物件賃料
B:賃料相当額

①法人の節税効果

=(A-B)× 社会保険料率(約15%) × 法人税率(約35%)

②個人の節税効果

=(A-B)× 社会保険料率(約15%)+ (A × (所得税5~45%+住民税率10%) -B))

 

2.節税事例

過去にあった事例では、年間461千円の節税効果がありました。

東京都文京区 1LDK(約35㎡)
・物件賃料A:135,000円
・賃料相当額B:約7,700円
この条件の元、節税額は下記の通りでした。

・法人節約額(年間):約149千円
・個人節約額(年間):約312千円
・合計節税額(年間):約461千円

賃料相当額Aと物件賃料Bの差が大きい場合、年間を通じると大きな節税につながります。
1度の処理で、継続的に節税効果を得られます。

下記に実務上の留意事項を記載します。

 

3.賃料相当額(B)の算定方法

①算定方法

賃料相当額は、国税庁が算定方法を定めています。
東京都内において普通の賃貸物件を借りる場合(床面積が99㎡(約30坪)以下)、これを超えることはありません。下記の式で算定します。

(1) (建物 固定資産税課税標準額)×0.2%
(2) 12円×(建物 総床面積(㎡)/(3.3㎡))
(3) (土地 固定資産税課税標準額)×0.22%
賃料相当額 = (1)~(3)の合計額

継続的な節税効果「社宅契約」の実務_社宅徴収額計算シート.xlsx

なお、上記以外の場合、国税庁ホームページに計算方法の記載があります。
https://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2600.htm

②固定資産税課税標準額

固定資産税課税標準額は、固定資産税通知書に記載があります。しかし、マンションの場合、賃借人は、通常、固定資産税通知は受け取りません。このため、都税事務所で評価証明を照会する必要があります。

・賃貸物件(マンション)が所在する都税事務所で照会できます。
・都税事務所は東京の場合約25カ所あり、管轄が分かれています。
http://www.tax.metro.tokyo.jp/jimusho/
・固定資産評価証明書は、土地分と家屋分の1部づつ必要となります。
・本人以外が手続きを行う場合、委任状が必要となります。委任状には法人代表印が必要となります。
・家屋分の固定資産評価証明は金額の記載が1つしかないので迷いませんが、固定資産(土地)評価証明書には、複数の項目がありますが、使用するものは「固定資産税課税標準額」となります。

sample1

・固定資産税評価額の見直しは3年に一度ですので、毎年の見直しは不要です。

書類を入手し、①の計算方法に当てはめることで、賃料相当額(B)を求めることができます。

 

4.家主との契約上の留意事項

・法人と家主と契約を締結する必要があるため、法人の審査が必要となります。
・法人の審査時には、過年度の申告書の提出が求められます。
・法人の業績が悪い場合、審査が通らない場合があります。
・法人と家主との契約にあたって、法人の代表者の保証が求められる場合があります。
・法人の社宅契約が慣れていない業者の場合、2ケ月程度の期間を要します。

5.従業員社宅の設定時の留意事項

・従業員に社宅契約を締結すると、退職時に法律関係が複雑になります。
・従業員の実質手取りは増えますが、年収額面が減少して見えるというデメリットがあります。
・額面減少や、退職時の契約関係の煩雑さは、節約メリットよりも多い場合が多く、あまりお勧めしません。

6.会社と社員との契約書

社宅契約のひな形を記載します。

sample2

契約書の雛形はワードファイルにてダウンロードできます。

社宅契約書(ひな形).docx

 

最後までお読み頂きありがとうございました。


ダウンロードのパスワードは、http://farsight.co.jp/documents/
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