2016年04月30日 (土)

超高度に複雑化した地方税の概略図 _平成27年改正(プロ向け)

超高度に複雑化した地方税の概略図

なんでどうしてこうなっちゃったの?と不思議な地方税の申告様式…
仕組みを解説しました。

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解説したエクセルファイルはこちらです。
地方税(事業税法人住民税)概略図.xlsx

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*1 事業税の「所得金額」
(目的)
事業税を計算するために基準となる利益を求める
事業税用の別表4(所得金額計算)に相当するもの
法人税の計算ロジックとは別の方法で「事業所得」を計算するため、分けられている(医療法人など)。
(法人税)別表7 の繰欠 控除前 の数値

*2 (国税)法人税 の計算
「資本金」1億円以下の中小法人は、800万円以下 15%の軽減税率あり(800万円超 23.9%)
(国税)地方法人税 の計算
法人税額に対して 4.4%

*3 (国税)中間納付 と控除税額
源泉所得税として前払した税額と、中間納付法人税額/中間納付地方法人税額 を差し引く
なお、適用初年度(H28年3月期など)は、地方法人税の中間納付はない。

*4 付加価値額及び資本金等の額の計算書
左側ブロック:付加価値額の計算
それぞれの計算シートにて算出した金額のリファーを受ける
右側ブロック:資本金等の額の計算
資本金等が1,000億円超の超大法人には緩和規定がある(⑰~⑲)
下側ブロック:資本金等の額の計算
(国税)別表5(1)と同額が記載される

*5 報酬給与額に関する明細書
①役員又は使用人に対する給与
①役員又は使用人に対する給与
(目的)
付加価値計算の報酬給与額&都道府県分割基準の基礎 を収集する
(必要な情報)
・都道府県別の所在地…名称(東京営業所)と所在地住所を記載
・所在地別の期末日時点の従業員数
・所在地別の支払給与額
(留意事項)
①期末時点の人数
・工場補正(1.5倍)はない。単なる期末時点での人数でOK
・派遣社員は含まない(75%補正があるため)
・役員はカウントに含みます(従業員としているものの…)。
・顧問は、非常勤役員などの顧問は含みます。ただし、同じ顧問でも弁護士や会計士は含みません(支払手数料など労働分配カウントせず)。
②支払給与額
・役員報酬は含みます(PL外で、別表4加算がある場合には、別途加算します。)
・派遣社員(*6 労働派遣者に計上される75%補正分)は含まない
・通勤手当は含みません(【激レア】ただし、非課税限度額を超える場合は超えた分を含みます)。
・法定福利費(健康保険税/雇用保険税/年金税など)は含まない
・退職金は含みます
・引当金は、税務上損金となった金額を計上することになります(引当増減額)。
(CheckPoint)
□小計金額がPL 人件費と一致していることを確認
□別表4での加算(役員賞与否認など過年度の加算)がある場合、合計に加える
②役員又は使用人のために支出する掛金等
(目的)
PLにおいて「人件費」として計上されていないものの、実質的に人件費(すなわち報酬給与額)となっているものの把握
(必要な情報)・・・もしあれば・・・
・中退金などの 外部拠出退職掛金
・年金基金の事業主負担掛金
③労働者派遣等に係る金額
金額は、(地方)別表6号 別表5の3の2 からリファーを受けるだけ
派遣先に支払った金額のうち25%分は、派遣会社のマージンとみなし、報酬給与額としては75%を計上する。

*6 労働者派遣等に関する明細書
(目的)
雑給の収集
(必要な情報)
・派遣会社別の 会社名/住所/支払金額/派遣人数/労働時間

*7 純支払利子に関する明細書
(目的)
支払利息から受取利息を控除して、純額の支払利息を求める
(Point)
マイナスの場合(支払利息<受取利息)は、ゼロとなる。

*8 純支払賃借料に関する明細書
(Point)
記載が多数に及ぶ場合、明細別紙として金額だけ1行で記載することはあり
マイナスの場合(支払利息<受取利息)は、ゼロとなる。

*9 雇用者給与等支給額が増加した場合の付加価値額の控除に関する明細書
アベノミクス政策の1つ、平均給与及び給与総額を一定以上増加させた場合には減税が受けられる

*10 平成27年改正法附則 第8条又は9条の控除額に関する計算書
事業税率の引き上げ改正(赤字法人課税強化)の影響を緩和させるための控除

*11 課税標準の分割に関する明細書
(目的)
左上側ブロック:事業税に関する ①所得金額/②付加価値金額/③資本金等の額 を上記で計算してきた他シートよりリファーを受ける
右上側ブロック:道府県民税 を計算するため、 (国税)別表1 より税額のリファーを受ける
下側ブロック:所在地(都道府県別(市区町村は関係ない))に、事業税と道府県民税 を分割する
「分割」を行った後に、47都道府県別に「都道府県民税・事業税・地方法人特別税の確定申告書」をそれぞれ作成する。
(必要な情報)
・都道府県別の期末日現在の従業員数(原則)
・工場であるか否か
(留意事項)
・微妙なところで、切捨て等がある
・単位は「円」と書いてあるが、「千円」単位での記載
・「事業税(左)」と「道府県民税(右)」の分割基準は、「工場」がある場合に異なる!

*12 都道府県民税・事業税・地方法人特別税の確定申告書
分割後の金額に対して税額を乗じ、税額を確定させる

(留意事項)
東京23区の事業所は、(地方)20号様式 はなく、別表6号 だけで完結する。
23区内の都道府県民税率は高いため、税率差はあまりない
「利子割額への充当」・・・

*13 法人市民税申告書
2以上の市町村に事務所等を有する場合は、
法人税額等を日本国内における従業者数の合計数で除して従業者一人あたりの分割課税標準額を算出し、
その一人あたりの分割課税標準額に各市区町村の従業者数を乗じて算出します。

*14 基準法人所得割額及び基準法人収入割額に関する計算書
意味不明・・・

*15 欠損金額等及び災害損失金の控除明細書
事業税独自の繰越欠損金

2.感想

「政策」を継ぎ足し継ぎ足しで、気が付いたら大きくなっちゃいました!という状況のようです。
グランドデザインないままに走ったらこんな風になっちゃうようです。
国税と地方税って、意味不明なくくり、辞めた方が日本のためになるんですが…


(参考資料)

(地方)別表6号 都道府県民税・事業税・地方法人特別税
(地方)別表6号 別表5の3 報酬給与額に関する明細書
(地方)別表6号 別表5の3の2 労働者派遣等に関する明細書
(地方)別表6号 別表5の4 純支払利子に関する明細書
(地方)別表6号 別表5の5 純支払賃借料に関する明細書
(地方)別表6号 別表5の6 雇用者給与等支給額が増加した場合の付加価値額の控除に関する明細書
(地方)別表6号 別表5の7 平成27年改正法附則第8条又は9条の控除額に関する計算書
(地方)別表6号様式別表5の2 付加価値額及び資本金等の額の計算書
(国税)別表1(1)
(国税)別表1(1)次葉
(国税)別表4(簡易様式)
(国税)別表5(1)
(国税)別表5(2)
(地方)6号様式 別表4の3 均等割額の計算に関する明細書
(地方)6号様式 別表14 基準法人所得割額及び基準法人収入割額に関する計算書
(地方)9号の2様式 利子割額の控除・充当・還付に関する明細書
(地方)9号の3様式,利子割額の都道府県別明細書
(地方)10号様式 課税標準の分割に関する明細書
(地方)20号様式 法人市民税申告書
(地方)22号の3様式 均等割申告書

外形標準課税収集キット.xlsx

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