2016年05月04日 (水)

銀行が「貸したい会社」/「貸したくない会社」_銀行格付け.xlsx

日銀政策によりマイナス金利になり、銀行は事業モデルを大きく転換することが求められました。
貸出利率が1/2になるということは、貸出金額を2倍にしなければ、これまで同様の利益を確保できないことを意味します。
今、銀行としては、「優良な貸出先」を血眼になって探しています。

さて、ここで「優良な貸出先」がどの程度のものなのか?ということが気になります。


1.決算書による企業格付け

金融機関はどのように格付けを行うか?というと、「人物を見て…」というファジーな基準で評価すると、金融庁に怒られてしまうため、審査基準を設けています。

まず、「決算書による融資先ランク付け」を行います。
ここで、決算書の財務分析による評価は、絶対的な評価ではなく、銀行内のすべての融資先の相対的な評価になります。
金融機関ごとに評価方法は異なります。同じ会社への評価であっても、A銀行とB銀行の評価は一致していません。
また、タイミングと方針によっても異なります(支店長の方針など)。
単純に赤字だと融資が断られる…と思われる方もいますが、ここまで単純でもありません。

各金融機関は、自社の評価数値を公表していませんが、昔、旧三和銀行(現 三菱東京UFJ銀行)が公表していた時があったそうです。
これによると、当時の評価基準は下記の通りだそうです。

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まず、200点満点の中、定性要因は71点、定量要因は129点と、定量評価が重視されています。

そして、定量要因129点は、①安定性/②収益性/③成長性/④返済能力に分かれていますが、
内訳は、

④返済能力:45点
①安定性:37点
③成長性:28点
②収益性:19点

定量評価の中でも④返済能力と①安定性に重点が置かれています。

つまり、銀行が「貸したい会社」というのは、収益性や成長性が高い会社…というよりも、
社歴がある程度あって、返済能力や安定性がある会社ということになります。

「財務指標をいじることで、指標を上げましょう!」という財務コンサルタントもいるようですが、
銀行の評点内部事情を知っていればできそうな気もしますね…

 

2.融資先のランク付け

融資先の評価基準は下記の5分類に分けられています。

正常先:業績が良好で財務内容に特段の問題がなく、延滞もない。
要注意先:業績不調、財務内容問題がある。延滞先/貸出条件緩和先など。
破綻懸念先:経営難にあり、改善状況なし。長期延滞。
実質破綻先:深刻な経営難。再建の見通しなし。
破綻先:破産などの法的手続き開始。取引停止処分発生先。

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点数は、上記の旧三和銀行の評価軸と合わせてあります。
自社に当てはめてみると、自社の相対的な評価を知ることができそうです。

3.便利なエクセル

決算書を3期分準備して頂けると、自社の位置を簡便的なエクセルを準備しました。
自社の格付け評価の目安にお役立ていただければ幸いです。

銀行格付_サンプル_旧三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)の場合.xlsx

4.金融庁検査マニュアル

さて、半沢直樹の中でたくさん出てきた「金融庁検査マニュアル」というのは実際に公表されています。
「金融庁検査マニュアル」
「金融検査マニュアル別冊〔中小企業融資編〕」

中身を見てもふーむ…と言ったところですが、別紙〔中小企業融資編〕の事例編(P23以降)を読むと、安心して頂けるかと思います。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

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