2016年08月01日 (月)

Airレジ(タブレット型レジシステム)導入支援 その3(美容業)

事例概要

ヘアサロンを経営する社長さんから、経営分析や資金繰り支援などのコンサルティングサービスもお願いできる会計事務所に変更したいが、顧問料は抑えたいというご要望をいただきました。

ポイント

以前の会計事務所には記帳代行から丸投げしていたためコストが高くなっていました。この記帳代行を効率化して、弊社側のコストダウンを実現しつつ、以前より付加価値の高いサービスが提供できるよう検討しました。

対応策

AirレジとMFクラウドの組合せを提案。
以前と変わらない顧問料で、クレジットカード売上の入金時期や税金・賞与の支出時期を織り込んだ将来予測・資金繰表などを提供できるようになりました。

プロジェクトを振り返って

思わぬ副作用として「Airレジ導入で美容スタッフが接客に以前よりも多くの時間を使えるようになり、サービス向上につながった」というフィードバックをいただきました。

報酬額 導入支援報酬 5万円
(新規顧問契約のため)
初期設備投資額 7万円(実費)
要した期間/頻度 1ヶ月
2016年07月25日 (月)

中小企業向け 海外展開支援コンサルテーションセミナー(@日本公認会計士協会)

弊社 伊香賀と谷が、日本公認会計士協会でセミナーを実施しました。
多くの方にご参加いただきました。ありがとうございました。

中小企業向け 海外展開支援コンサルテーション

s

東京CPAニュース 2016年7月号

セミナーマテリアル

セミナー内容は、下記よりダウンロードできます。
2016.05.25_会計士協会 中国セミナー資料(抜粋)

2016年07月18日 (月)

法人設立初年度に青色申告の承認申請書の提出を忘れてしまった場合の対応

青色申告の提出を忘れてしまった場合、適用は次事業年度からとなります。
この場合の記載は下記の通りとなります。

1

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_14.htm

青色申告承認申請は、普段は2番目にチェックしますが、

提出を忘れてしまい、次年度から適用の場合、
6つのチェックボックスのうち該当するものはないため、
どこにもチェックを付さないが正解となります。

 

ご参考になれれば幸いです。

2016年07月05日 (火)

診療申込書/テンプレート | クリニックの流入経路調査

クリニックの流入経路分析

クリニックの流入経路を知ることで増患対策のヒントになります。

無題

最近は都市型クリニックでは、ウェブからの流入が多く、ウェブを活用できるか否かが、流行る医院・流行らない医院が分かれ道になっているように感じます。

エクセルテンプレートは下記になります。
診療申込書(当院を何でお知りになりましたか?).xlsx

 

ご参考になれれば幸いです。

2016年07月04日 (月)

適格合併と繰越欠損金の引き継ぎ要件(セミプロ向け)

最近、しばしば、「赤字の会社を買ってきて、合併させれば、節税ができる!」というご相談を受けますが、
税務上の赤字(繰越欠損)がある会社を買収しても、節税に活用できる場面は、限られています。
いえ、残念ながら、ほとんど封じられています。
今回は、正確性は捨象して、ある程度ざっくり説明して参ります。


 

1.繰越欠損金を引き継げるパターン

いささか乱暴ではありますが、下記のパターンであれば、適格合併時に、税務上の赤字(繰越欠損金)を引き継ぐことができます。

パターン1:本来、1つの組織体で行うことができた事業を あえて分社したが、やっぱりその後合併した場合
パターン2:ガチの対等合併である場合(特定役員要件)
パターン3:被合併法人との 売上/従業員/資本金規模などの「事業規模が大きく乖離していない(概ね20%以内)」場合(事業規模要件)
パターン4:5年以上前から保有(ただし、租税回避目的はアウト)

 

パターン1:本来、1つの組織体で行うことができた事業を あえて分社したが、やっぱりその後合併した場合

新規事業を行う場合、
①同一企業内の別部門として行う場合と、
②100%子会社として新会社を設立する場合の2つがあります。

既存事業は黒字で推移したものの、新規投資は失敗し繰越損失が生じた場合、
ケース①では、新事業の赤字を取り込み、既存事業の黒字と相殺することができます。
一方、
ケース②では、子会社には赤字が生じていますが、既存事業では黒字となります。

ここで、ケース②で、赤字と黒字を相殺できないと、課税上、不公平が生じます。
このため、ケース②の別法人で事業を行っているものの、実態が同一法人である場合の適格合併は、繰越欠損金の引き継ぎを認めています

 

パターン2:対等合併である場合(特定役員要件)

吸収される側の会社の重役が新会社でも重役であるパターンでも繰越欠損の引継ぎを認めています。
重役が続投しているという条件を備えていれば、対等合併であると言え、投資が継続していると言えるからです。
この場合には繰越欠損金を引き継ぐことができます。

しかし、どうでしょうか・・・合併された側の役員が重役として残り続けられるケースは、
実務上は、あまりないように思えます。

 

パターン3:被合併法人との 売上/従業員/資本金規模などの「事業規模が大きく乖離していない(概ね20%以内)」場合(事業規模要件)

事業規模が大きく乖離していないことも「投資が継続している」という要件の1つになっています。
具体的には「概ね」5倍以上、差があるとダメとしています。
例:メガバンク同士の合併 OK
例: メガバンクが信用金庫を買収した NG

法の趣旨は、規模は小さいが、たくさん繰越欠損金がある会社を買収しての節税の防止にあります。

他の条件と比較すると、このパターンは比較的使いやすいように思います。
ただ、本体と比較して20%を超えるようなそれなりの規模の赤字会社を買収するとなると、結構勇気がいりますよね。

 

 

パターン4:5年以上前から保有(ただし、租税回避目的はアウト)

5年以上前から株式を保有している会社の欠損は活用できるルールになっています。
ただし、5年以上前からの休眠会社を計画的に保有しておくというのは、租税回避目的ルールにひっかかりそうです。
ここは見解の相違が出そうなところです。

こちらも他のパターンと比較すると、それなりに使いやすそうです。

 

2.適格合併 という条件

ちょっとプロ向けですが、上記の条件を満たす前に、第一関門として「適格合併」であるという必要があります。
難しいことは省きますが、「税制適格」の本質は、「投資が継続している」というものです。
「適格合併」の場合、資産負債の簿価引き継ぎとなります。

適格合併であり、投資が継続していれば、資産負債は簿価引継ぎができ、
非適格合併であり、投資が継続していなければ、資産負債は時価引継ぎということになります。

 

 

いずれにしても、適格合併であり、かつ、上記4つのパターンのいずれかを満たして、はじめて税務上の赤字(欠損金)を引き継ぐことができます。

 

3.よくある判定フローチャート図

無題

最後までお読みいただきありがとうございました。
ご参考になれば幸いです。

2016年07月01日 (金)

Airレジ(タブレット型レジシステム)導入支援 その2(小売業)

事例概要

商社から独立して茶葉の小売業(有店舗・WEB販売もあり)を起業することになった社長さまから経理体制をどうしたらいいか相談を受けました。

ポイント

経理業務を効率的にできるようにするのはもちろんのこと、導入コストを抑えつつ、スタイリッシュな店舗空間つくりも意識しました。

対応策

AirレジとMFクラウドの組合せを提案。
店舗での販売実績はAirレジ、WEBでの販売実績はMFクラウドで自動把握できるため、面倒な経理業務は最低限に抑えることができました。

プロジェクトを振り返って

国の実施する軽減税率対策補助金の対象となる小売業であったため、設備投資額の一部が補助金の対象となったこともあり喜んでいただけました。

報酬額 5万円(新規顧問契約のため)、
初期設備投資額 5万円(実費・補助金2万円相殺後)
要した期間/頻度 1ヶ月
2016年06月27日 (月)

銀行融資 | 成長期の社長向け | 「あんなに銀行が『借りてくれ』」と頼んでいたのに、銀行はなぜいきなり「もう貸せません」に転換するのか(怒)?

中小企業の社長様と話している中で、
金融機関から、
今まで「借りてくれ借りてくれ」と頼まれていたのに突然手のひらを返したように冷たくなる…
から信用できない…
と言ったものがあります。
しかしこれは、銀行が冷たいのではなく、支店長のタイプが変わって手のひら返しをしたのでもありません。

これにはあるメカニズムが存在していました。

1.貸し込みのメカニズム

そのメカニズムとは、
『貸し込みをさせる銀行内部の力学』と
『銀行は会社の実情を把握し、与信管理をしているという「社長の」誤解』の 2つです。

2.あるあるストーリー

以下、借入が大きくなるまでの 架空の会社の「あるあるストーリー」を見ていきます。
無題
(ブルーは売上高/業績、オレンジは借入金残高を時系列で表記したものになります。(イメージ図))
一般的に、企業は事業規模の拡大とともに、
創業期⇒成長期⇒成熟期⇒衰退期 と4つのフェーズに分かれ、
多くは、下記のストーリーを描いていきます。

Step1:創業期
Step2:成長期(初期)
Step3:成長期(中期)【借りてくれフェーズ】
Step4:成長期(中~後期)【急拡大の歪みフェーズ】
Step5:成長期(後期~成熟期)【歪みが財務数値となって表れるフェーズ】
Step6:成熟期(中期)【要管理先 / もう貸せませんフェーズ】
Step7:衰退期(中期)【身動き取れないパターン or 回収モードパターン】

以下、詳しくストーリーを描いてみます。

 

Step1:創業期

・ないない尽くしから、ものすごく頑張る
とにかく売上を増やすことに注力する

 

Step2:成長期(初期)

・創業期から脱して、売上が伸びはじめる
追加運転資金(在庫/売掛債権)が必要
・銀行に融資の申し出 = 銀行貸し出しOK!!(ただし通常、保証協会付き)
・資金調達によりさらに売上伸長・・・借入金月商倍率(*1)は低い


*1:借入金月商倍率
借入ができるか否かは、いくつかのポイントがありますが、まずは「借入金と年商の適正比率」が基本になります。
「借入金月商倍率」は、借入金÷月商により求められます。
低ければ低いほど良いという指標です(無借金経営の場合はこれがゼロになります)。
製造業で4-5ヶ月、その他の業種で3-4ヶ月を超えたあたりから徐々に追加融資を受けにくくなります。
借入金が年商の半分を超えると、保証協会付き融資であっても借り入れが困難になります。

 

Step3: 成長期(中期)【借りてくれフェーズ】

銀行と取引関係が構築され(*2)、さらなる事業伸長ために借入を行う。そして売上増加。
売上が伸びればだいたいの問題は解消します。社内は活気があり、経営者としての自信も出てくる。経営者としてのオーラが出てくる。
・銀行が借りてくれとお願いをしてくる(*3)
節税対策投資なんかの話も持ちかけられる(*3)
・借入金月商倍率は徐々に増加するが正常水準


*2:銀行との取引関係構築
初めての取引先との取引は嬉しい反面、貸倒にならないか?というも怖いものです。これは銀行も同じです。
なので、銀行と取引をしたことがある(借りて返した)という実績が作られることで、銀行から借りやすくなります。
*3:投資の話
バブル以後の低金利時代、銀行は収益維持のために必死になっています。
従来の貸出以外にも様々な商品を取り扱っており、ここにもノルマがあります。
「金融商品に協力してください」とお願いさせる。
不幸な事例として、銀行(の担当者)に頼まれ、言われるがままに為替変動デリバティブに手を出し、倒産した会社もあります。
また、なぜか社債を発行させられた会社もあります。

 

 

Step4:成長期(中~後期)【急拡大の歪みフェーズ】

・急拡大するも、社内管理体制が追い付かず滞留債権/在庫発生(*4)
・滞留在庫/債権が表面化していなかったりするので、社内に危機感はあまりない
・しかし、過去の成功体験に捕らわれる 又は滞留が表面化しない。投資継続。(*4)
・歪みは決算書に急には表れない&銀行としても取引があった「安心感」から借入取引は実行可能
・銀行担当者としては、「貸せる相手先」として認識し、貸し込みを行う(*5)


*4:社内管理体制が追い付かない
社長の多くは営業出身であり、社内管理は左腕となる参謀/補佐役が必要となります。
しかし、財務という怖い部分を任せられる信頼できる人物はなかなか見当たりません。
奥さんや親族は、信頼はできますが、能力面で追いつかないケースもあります。
従業員に使い込みをされるという会社も 案外多くあります。

*5:「貸せる相手」
銀行の営業ノルマは厳しい。貸せる相手は限られている。
どうにかこうにか貸したい。お願いに上がる。
爆弾が爆発するまでであれば、貸した方が利益になります。
もっというと、銀行は「(事業で)返せるかどうか?」で貸しているのではなく、「(社内で稟議が通って)貸せるかどうか?」で貸し出しをしているのです。
※「(事業で)返せるかどうか?」と、「(連帯保証や担保で)回収できるか?」とは違います。

 

Step5:成長期(後期~成熟期)【歪みが財務数値となって表れるフェーズ】

滞留債権や滞留在庫が表面化してくるものの、税務上の問題(*6)もあり処理できない
・いくつか投資の失敗が明らかになるものの、銀行借り入れが膨らんでおり、実質的で抜本的な自己解決が難しい
・状況によっては、不良資産を処理すると債務超過になってしまうため、処理したくてもできない
・タイミングによっては貸せる相手でもあるため銀行も邪険にはしない
・社長が想定していたよりも褒められ、「なんだまだ借入できるじゃないか・・・と」安心する(*7)
銀行融資は「借り換え」によりぐるぐる回している(*8)
・借入金の月商倍率はさらに増加(*1)


*6:税務上の問題
会計上、滞留債権/不良在庫や、含み損のある不動産や株式でも、税務上は、「売却する」まで処理することはできません。そして、税務調整をしている中小企業は皆無です。
*7:「なんだ借入できるじゃないか…」
社長が把握している情報と銀行が把握している情報は差があります。
情報に非対称性があります。
『銀行は、会社の実情を細かく把握し、与信管理をしている』ということはありません。結構ザルです。
銀行担当者は200-300社をかけ持っています。
3年周期の頻繁な転勤がありますが、引き継ぎ期間はたったの3日間です。
1社あたりにかけられる時間はせいぜい15分程度です。
この状況で綿密な財務分析をして細かい与信管理は無理です。
なので、情報量は、社長>銀行という構造は当初からあります。
*8:借り換え
借入残高がある程度増えた場合で、不良資産が蓄積されている場合、直ちに借入金の返済は難しい状況になっています。
既存の借入を新規融資で返済する状態が当たり前になってきます。
会社側としても、銀行側としても、抜本的な解決策がない以上、借り換えをする以外に選択肢はない状況になります。

 

Step6:成熟期(中期)【要管理先 / もう貸せませんフェーズ】

経済要因などにより、業績が悪化、社会が不景気だから仕方ない…
・奇しくも売上の減少と重なってしまう・・・借入金の月商倍率が1年を超えてしまう(*1)
・滞留債権や滞留在庫について、厳しい目で決算書を見始める(*9)
リスケで対応するものの、抜本的な解決にならない(*10)
・社長としては、何で急に?ここで銀行に対する「誤解」が表面化(*11)


*9:厳しい目での決算書
情報の非対称性はどこかで爆発してきます。
メインバンクが手を引いていて、結果、取引先の金融機関がたくさんになっている場合もあります。
*10:リスケ

リスケ(reschedule)は、銀行との間の条件変更契約ですが、リスケした状態を正常化するには数年かかるケースがほとんどです。
しかし一方、通常は半年~1年間という短い契約になり、銀行は契約期日が到来する都度、経営改善計画の進捗をチェックして、延長/更新してよいかと判断することになります。
このため、多くの場合、かなり長い間、銀行との交渉で疲弊することになってしまいます。
借り換えを重ねた結果、年商規模まで借入が増大していると、最終的に反永久的にリスケをしなければならないケースも出てきてしまいます。
*11:銀行に対する「誤解」
*7「なんだ借り換えできるじゃないか…」という社長の勘違い同様、銀行との情報の非対称性からくるものですが、ここまで来ると、社長(又は財務担当役員)はいかに資金調達をするかに汲々としています。
知ってはいるものの、資金を絶やされると倒産してしまうため、銀行にお願いをする。
借りさせていただくように、立場が逆になる。

 

Step7:衰退期(中期)【身動き取れないパターン or 回収モードパターン】

(1)身動き取れないパターンの場合

借り換えを続け、会社は存続する。
・事業譲渡(M&A)を考えるものの、担保&保証により、譲渡しても社長の破産は免れない
・根本的な解決は難しいと分かっているものの、生活を考えるとそのまま継続せざるを得ない(*12)
社長の年齢は高齢化している。同時に従業員も高齢化している(*13)。
・従業員もあるので、息子に事業承継させるつもりはあるが、難しい局面であることが分かっているため悩む…(*13)

(2)回収モードパターンの場合

・事業環境が大きく変化してしまい回収モードへ。清算or破産(*14)
担保に入れた社長自宅&連帯保証実行


*12:借り換えを続け事業存続
債務超過になってからのM&Aは、多くの場合、新スポンサーが現れたとしても、会社の借入金と保証をしている社長の債務は免れないケースがほとんどです。
経済的利益の観点からは、社長は借り換えを続け事業を存続することを選択します。
*13:社長と従業員の高齢化と息子への事業承継
悩ましい問題ですが、社長が高齢化すると抜本的な解決が取りにくくなります。
また従業員が高齢化している場合、転職先を見つけるのも難しく、これもまた事業を存続させる理由の1つになります。
会社と息子に愛着があることが理由で、息子への事業承継を考えられているケースもあります。
また息子としても、決算書を見せられていないため「継ぐ気」である心づもりになっているケースがあります。でも言い出せない…
*14:民事再生とか清算とか破産
出直しをするためには、資金が必要になります。破産をするにも資金が必要になります。
事業がうまく行かなくなった場合、感覚的には7割の会社が休眠にする選択をするようです。

 

 

3.まとめ

最後まで成り行きに任せると暗い話になってしまいましたが、
時計の針を戻しますと、どこでボタンが掛け違ったのでしょうか?
私は、
社長は、
①銀行には、厳しい営業ノルマの達成と、頻繁な転勤という『銀行内部の貸し込みをさせる力学』があることを知ること
②『銀行は、会社の実情を細かく把握し、与信管理をしているという誤解』をせずに、銀行に乗せられずに事業計画を作成し、「まじめに」金勘定をすること
の2つがポイントだと思います。

□銀行は、会社の実情を細かく把握し、与信管理をしているという訳ではない(実態かなり「ざる」)
□これは、会社側と銀行側との間に情報格差があるから(仕方ない面がある)
□成長期の頃から、情報格差に対してちゃんと会社側から情報開示をするべきであった
□「メガバンク担当者から借りてくれと頼まれている」からと言って、言われるがままに借入をしてしまうと、数年後にずぶずぶの泥沼にはまって行ってしまう可能性が高い
□銀行の言うことを聞く「良いお客さん」にならないことが必要
□社長は計数管理に強い必要がある
□PLだけじゃなくて、CFやBSを見れるようになるべきだった
□管理部門を馬鹿にしない


 

最後までお読みいただきありがとうございました。
ご参考になれれば幸いです。

2016年06月25日 (土)

社長がざっくり抑えておくべき「税務申告・納税などのスケジュール」

細かい部分は経理スタッフにお願いするとして、
社長として把握しておくべき、間接部門の年間イベントを記載しました。

無題ざっくり抑えておくべき 税務申告・納税などのスケジュール

提出先も様々ありますが、こんなことをやっているんだな…と
ご参考になれれば幸いです。

2016年06月24日 (金)

民事再生法による事業再生のポイント

1.民事再生法とは

債権者(又は株主)が、今 貸付先を清算/破産させるよりも、高い弁済率を受けられる場合など、
民事再生法を適用した方が合理的と判断した場合、
裁判所の管轄下で、債権者の過半数の同意を得て、再建を進める方法

 

2.要する期間

約半年 (スポンサーがある場合)
申立
⇒ 開始決定
⇒ 債権届出・調査
⇒ 債権否認書の作成
⇒ 債権の確定
⇒ 再生計画案の作成・提出
⇒ 債権者集会の招集/決議
⇒ 再生計画の認可・遂行

 

3.費用
①予納金

負債1-10億円=500万円など…弁護士報酬などとして費消されるため、ほとんど返ってこない

 

②弁護士報酬

予納金とは別に、着手金で500-1000万円程度

 

4.再生計画の認可に向けて

債権者が納得する理由: 破産BS < 再生計画に基づく弁済 or スポンサー負担による回収

 

①スポンサーなしの場合

…有力な事業計画が必要(借入がなければうまく回る会社=儲かる仕組みがある)

 

②スポンサーがある場合

…破産BSと比較して、高い弁済率になること(2倍ぐらい離れていればセーフティー)
⇒ 事前に破産BSのシュミレーションを検討しておく必要があります

 

5. 担保権の行使について

①銀行預金(定期預金)

…民事再生の申し立てとともに相殺される

 

②事業用不動産

…銀行が担保設定している不動産は、担保権を実行される
→  本業のために使用している不動産は、新たな借入契約を締結する

 

2016年06月21日 (火)

分社化節税スキーム「オートくん」

事業セグメントが2つ以上ある会社では、
会社分割を利用することで、法人税の軽減税率 と消費税の簡易課税を取れ、
毎年毎年オート節税効果を受けることができる場合があります。
以下、簡単にご説明いたします。

1.分社化のメリット

分社化とは、軌道に乗っている事業を新会社として事業設立をすることです。

本来は、税務上のメリットとは無関係に、採算ラインを明確にするという目的などで分社化しますが、
資本金が1億円以下の会社であれば、800万円までの法人税の軽減税率の適用
売上が5000万円以下であれば、消費税については簡易課税の適用を受けることができ、税務的にお得になる場合があります。

ただし、全ての会社に分社化をお薦めするわけでもありません。
過去の相談事例を見る限り、税務的なメリットを享受できるケースは案外多くありません。

判断のポイントは、「事業の安定性・継続性」を満たしていることです。
不動産収入や、ロイヤリティーなどは収益獲得を固く見込まれるため、分社化に適しています。
1

 

2.分社化のデメリット

節税のメリットがあるものの、経費がかかるというデメリットもあります。

管理コストの増加(決算資料作成等の間接コスト)
均等割りの発生(だいたい年間7万円)
③新会社設立のイニシャルコスト(30~40万円)
またさらに、ずさんなグループ間取引は税務調査でNGとなります。

3.分社化が適している会社

ロイヤリティー収入や地代家賃など、「ほったらかしても」安定してキャッシュインが見込める事業が適しています。
加えて、事業によっては、消費税は簡易課税でお得!というメリットが大きいので、売上5000万円以下というスウィートスポットを狙わないと
思ったほど効果は得られず、逆にめんどくささが増加してしまうデメリットがあります。

2

ご参考になれれば幸いです。

2016年06月17日 (金)

会計英語|翻訳.xlsx

会計英語への対応表

国外にある親会社に対して報告したいとか、
国外の取引先に報告するために、英文財務諸表が必要というお話を受けます。
こちらで作成をしてもいいのですが、実はこんな便利な辞書機能を金融庁が公表しています。
こちらをご活用頂ければ、自社でも財務諸表を勘定科目変換をすることができます。

1

「タクソノミ エディネット」で検索し、真ん中あたりにエクセルがあります。

2

2016年版は、下記でもダウンロードいただけます。

英文対応科目(金融庁2016年版EDINETタクソノミ.xlsx

 

ご参考になれれば幸いです。

2016年06月15日 (水)

Airレジ(タブレット型レジシステム)導入支援 その1(ビジネスホテル)

事例概要

日本各地でビジネスホテル経営をしている会社さんがあり、遠隔地のホテルからの売上情報がタイムリーにあがってこなく困っていました。

ポイント

売上管理表のメールやFAX送信を含めて情報共有の方法を検討しましたが、現場の業務負荷が過剰に増えないことを第一に優先しました。

対応策

必ず行われる業務である「フロントでの代金決済」に着目し、Airレジを導入。社長はいつでもWEBから日次で売上管理ができるようになりました。

プロジェクトを振り返って

現場担当の方がAirレジを使いこなせるかはじめは少し心配でしたが、スムーズに導入することができました。

報酬額 3万円(新規顧問契約のため)
初期設備投資額 7万円(実費)
要した期間/頻度 2週間
2016年06月06日 (月)

非営利型一般社団法人|都税事務所への申告書

非営利型一般社団法人の都税事務所への申告書作成サンプルを記載しました。

1.申告ルール

非営利型の一般社団法人は、そもそも利益という概念がないため、
利益に対しての課税もなされません。
しかし、法人登記をしているため、管理費用として、年額7万円(※)の固定税額は発生します。
(※ 東京都の場合)

2.申告書サンプル

東京都に提出する申告書は、通常の都税申告書とは異なり、
11号様式という特殊な様式になります。

サンプルは以下となります。

無題
均等割申告書(第11号様式)

http://www.tax.metro.tokyo.jp/shomei/index-z1.htm

3.年度について

申告書作成の上で、混同しやすいのが、「年度」という考え方です。
一般社団法人の決算期とは関係なく、毎年4月末に税額を支払うという整理をすると考えやすいかと思います。
例えば、
・平成27年4月1日~平成28年3月31日は、平成28年4月末に納付、年度は支払日の「平成28年度」となります。

決算期は関係ありません。

 

ご参考になれれば幸いです。

2016年06月02日 (木)

合併公告|債権者保護手続(官報)_手続きと費用

合併をするには、債権者保護手続きが必要になります。
スケジュールとコストについて記載しました。


 

方法1、2ともに、【決算公告は官報で行う点は共通】
【債権者に対して個別催告するかどうか】で、公告方法及び費用が変わってくる。
4
2つの方法があり、35万円~50万円程度の費用が必要になります。

1.合併スケジュールサンプル

1合併スケジュール.pdf

2.合併公告サンプル

2

3.債権者個別催告サンプル

3

2016年05月19日 (木)

中小企業者と中小法人等の判定.xlsx(プロ向け/Ver1)

法人税法上の紛らわしい名称を整理しました。

1.法人税法上の中小法人等の判定

要件
① 普通法人のうち、期末時点の資本金の額もしくは出資金の額が1億円以下であるもの
(大法人(※1)との間に大法人による完全支配関係がある普通法人
または複数の完全支配関係がある大法人に発行済株式等の全部を保有されている法人を除く)
または資本もしくは出資を有しないもの(相互会社を除く)
② 公益法人等または協同組合等
③ 人格のない社団等

※1 大法人…資本金の額または出資金の額が5億円以上である法人、相互会社、法人税法4条の7に規定する受託法人をいいます
Note
□交際費制限
□800万円軽減税率
□繰越欠損金の使用制限 など


 

2.租税特別措置法42条の4に規定する中小企業者の判定

要件
①資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人
ただし、同一の大規模法人(※2)に発行済株式または出資の総数または総額の2分の1以上を所有されている法人
および2以上の大規模法人に発行済株式または出資の総数または総額の3分の2以上を所有されている法人を除く。
②資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人

※2 大規模法人…資本金の額もしくは出資金の額が1億円を超える法人
または資本もしくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人をいい、
中小企業投資育成株式会社を除きます。
Note
□中小企業者等が機械等を取得等した場合の特別償却または税額控除(いわゆる「中小企業投資促進税制」)(措法42条の6)
□中小企業者等が経営改善設備を取得等した場合の特別償却または税額控除(いわゆる「商業等活性化税制」)(措法42条の12の3)
□少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(いわゆる30万円特例)(措法53条)の適用
□その他の税額控除など

 

中小企業者と中小法人等の判定(法人税法)_Ver1.xlsx

無題

2016年05月18日 (水)

LLC(合同会社)| 外国法人を代表社員とする合同会社の設立(プロ向け)

 


合同会社はアメリカのLLC(Limited Liability Company)の制度をモデルとして創設されたもので、日本版LLCとも呼ばれます。
このLLC(合同会社)は、株式会社と似ていますが、所有(株主)と経営(取締役)が一体化しているという特徴があり、法人が、経営(取締役)になることもできます。
外国法人が社員になれるでしょうか?またどういう手続きが必要になるでしょうか?

結論として、外国法人を代表社員とした合同会社の設立は可能です。
ですが、手続きのハードルが少々高くなります。

具体的には、以下のハードルがあります。
①外国法人名義の日本の銀行口座が必要
②外国法人の登記簿謄本にあたるもの(及びその日本語訳)が必要
③外国法人の代表者の署名証明書(及びその日本語訳)が必要
④設立後に日銀に「対内直接投資」報告をする必要がある


 

1.外国法人が社員となるケース

なることは可能です。
外国法人のみが業務執行社員(代表社員)となり、
社員1名の会社とする場合、
通常の設立の場合と比較して煩雑なお手続きとなります。

 

2.具体的な手続き

1.出資金の振込(預入)について

出資金振込の口座は、社員のもの(社員の個人もしくは法人口座)でなければなりません。
この口座については、「外国の銀行の日本支店」であれば手続可能ですが、「日本の銀行の海外支店」では手続不可です。
当該社員が日本に銀行口座をお持ちでない場合には、現実的にお手続きが難しくなります。
方法として、
・日本に居住している方をいったん社員として会社設立し、
・社員の持分権を譲渡することで対応するケースもあります。

 

2.日本に住所がなければならないか?

・法律改正があり、社員全員が海外在住でも問題ありません。

 

3.その他

海外法人が社員(業務執行社員)となる場合には、以下の書類が必要となります。
・海外法人の登記簿謄本(海外現地で発行される登記簿謄本にかわるもの。日本語訳を作成する必要あり。)
・海外法人の代表者の署名証明書(公証人の認証を宣誓供述書に受ける。日本語訳を作成する必要あり。)

また、海外からの出資で「対内直接投資」にあたることから、設立後に日本銀行への報告が必要となります。
https://www.boj.or.jp/about/services/tame/faq/data/t_naito.pdf
上記ご参照下さい。

 

ご参考になれば幸いです。

2016年05月09日 (月)

共同募金形式の震災義援金と 寄付金控除

国税庁より、熊本震災関連の寄付金の取り扱いが明示されました。
https://www.nta.go.jp/kumamoto/topics/saigai/pdf/joho03.pdf

お金を「一度、預かり」まとめて寄付をするパターン

無題

「直接」国に対して寄付する場合(左のパターン)、
「直接」国(熊本県)から寄付証明書の発行を受けられるため、
これを確定申告や法人税申告の証憑書類をとして使うことができます。

しかし、一度中間会社が寄付金を預かり、
まとめて寄付をするグループとして場合(右のパターン)、
寄付金証明はまとめて支払いを行った会社にしか送られません。

国税庁Q&Aでは、上記右のパターンの、寄付金の取り扱いが解説されています。
これによると、中間会社が発行する「預り証」を以って、最終寄付者が寄付金控除に使用することができるとのことです。

 

Q&Aを参考にして預り証のサンプルを作成しました。
下記よりダウンロードできます。
義援金 預り証(中間法人関与パターンDraft).docx

お役に立てれば幸いです。

2016年05月08日 (日)

サラリーマン減税 |スーツやキャバクラ代 自腹の救済拡大?!特定支出控除の使い勝手

平成24年改正によって、
サラリーマン(給与所得の人)でも、事業者みたいに「経費」が使えるようになりました。
「経費」は自営業者のためにある特権でしたが、それをサラリーマンにも一部認めましょう。
という改正です。
この度はこちらを解説して参ります。

1. 実は、ずっと昔からある「サラリーマンのみなし経費」

世の中には、好きに経費を使える「事業者」と、好きに経費を使えない「サラリーマン」という2つのタイプの働き方があります。
事業者の経費には「売上を獲得するのにかかった投資コスト」が全て含まれます。
会社名義の車、書籍代、交際費なんかは投資コストとして「経費」に含めることができていました。

一方、サラリーマンであっても、自営業者の経費と同様に、会社で働くためには、スーツやら、諸々の間接的なコストが必要になってきます。
サラリーマンにも、給与金額に比例して20%~40%程度、一律の「経費」を認めています。
これを「給与所得控除」と言います。
このサラリーマンの「みなし経費」(正式名称は、「給与所得控除」といいます。)はずーっと前からあります。

サラリーマンのみなし経費は、下記の算式によって求めます。
サラリーマンの平均年収は446万円(平均33歳)だそうですが、
446万円×20%+54万円=143万円をみなし経費として、
所得税の計算から除外します。
給与所得控除H28

https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1410.htm
所得税の対象は、446万円-143万円=302万円となります。
つまり、446万円の年収があっても、諸々の諸経費分を143万円として、
全国民一律に定めて、302万円だけに所得税を掛けましょう。という制度になっています。

なので、今までの制度でも、「給与所得控除」によって、
サラリーマンでも実は経費見合いの分は税務上優遇?されていました。

2.自営業者の特権?!「経費」をサラリーマンにも認めます!

H24年の税制改正の「特定支出控除」というのは、
このサラリーマンの「みなし経費」を拡大して「みなし経費 その2」を認めますよ。
という改正になります。

サラリーマンの個別個別の事情を考えたら、税務署の事務処理がパンクしてしまう
というところを深堀してみますと、
「課税の公平」を考えると、給与金額に比例して一律になんてせずに、もっと個別個別の事情を考えるべきなのです。

例えば、AさんとBさんが居て、資格取得に熱心なAさんはお金がかかります。
銀行員さんとかは、FPやらなんやら、最新の知識が必要ですし、
勤務弁護士やら勤務会計士も知識のキャッチアップが必要になってきます。
最近では社内公用語を英語にするような会社も出てきました。
英語を使えなければ昇進できない環境にいるAさんと、
ドメスティック畑一本のBさんは、使うお金が違います。

サラリーマンを事業者と考えると、
英語を使えないと仕事にならないという状況では、
この「英語を身に付けるスキル」というのは、もはや経費でしょ!
ということになってきます。

ここでも格差が広がってきてる感じです。

こんな状況において、個別事情を考えたら、税務署の事務処理が大変なことになる・・・
なんて言ってられないんです。
そこで、税務署は、「いやいや分かりました。仰るとおりです。僕ら頑張ります。」ということで、
改正がなされました。


3.どこまでの経費が許されるのか?境界線…

「分かりました」
とにかくまるっというと、経費の幅が広くなったんですね。
マスコミ等によると、経費には、「スーツ」や「資格取得費用」が含まれるって聞いたんですが、どこまで含まれるんでしょうか?
最近は、ユニクロとか、社内公用語を英語にしてる会社があるそうですけど、
ベルリッツみたいな英語学校に通った場合の費用って認められるのでしょうか?
具体的な範囲を知りたいですね。

さて、国税庁のタックスアンサーに
国税庁個人課税課の方が作ったギャグみたいなQ&Aが列挙されています。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/120912/index.htm

Q6:I-padで電子書籍読んでて、電子書籍は仕事に必要なんですけど、I-pad本体は特定支出に含まれますか?
A6:本体購入価格は含まれません(笑)。
Q11:うちの会社はカジュアルウェアでOKなんですが、シャツとかジーンズ(ユニクロ)は特定支出に入るんですか?
A11:入りません。
(それってスーツはOKだけど、カジュアルは認めないっていう 個人的な偏見やん)
Q5:アカウンティングスクールの費用は入りますか?
A5:アカスクは会計士の短答が一部免除されるだけだからダメ!関係ない!!
←もはや卒業しても合格率XX%と制度崩壊しつつあるロースクールの費用はOK??なぜ?
と、個人課税課の方の個人的見解では???とはてなが多い文章になっています。

一方、Q&Aの中で、大事そうなものはこちらです。
・費用の認識は、現金主義でなく発生主義(Q1)
・教育訓練給付の補填金額は控除しなくてOK(Q3)

うだうだとよくもこんなに書いたねぇ~というアホなQ&Aの中で大事なことは、
「要件:給与支払者が承認すること」というこの一文にあると考えます。
とにかく、個人に任せるとなんでもぶっこんで来て、細かくてメンドクサイから、
「給与支払者(つまり雇用主)」の承認っていう一文を突っ込めば、
そんな煩く言わないだろう~っていう、「上司は怖いものだ」という役所のクズみたいな論理が透けて見えます。

さすると、以下は個人的な見解ですが、OKな範囲として、
■社内公用語を英語にしてる会社の英語学習費用
⇒もちろん業務に必要なのでOK
■弁護士、公認会計士、税理士、弁理士などの資格取得費の「など」ってどこまで入る?
⇒そもそも曖昧なので、仕事に関連すると(個人的に)思えば、幅広く解してOK
スポーツジムの費用も「弊社は、ボディービルをブランディングイメージしてます。」っていうことであればOKだと思います。

「コミュニケーション」や、「コーチング」などのセミナーは
業務上必要に含まれるのか?という感じですが、幅広く解釈しても、僕は、大丈夫だと考えます。


4.でも・・・適用を受けるためのメチャクチャハードル高い・・・

マスコミに騒がれて、魅力的な税制、是非とも受けたいものです。。。
でもね、ハードル高いのです。

「集めなきゃいけない領収書がすっげー多額」

この税制を受けるためには、まず、給与所得控除の金額の1/2を超える必要があります。
これがまず難しい・・・
サラリーマンの平均年収は、446万円だそうですが、
年収446万円の場合は、給与所得控除143万円の半分72万円分の領収書を集める必要があります。
この時点で結構ハードル高いんですよね。
だって、住宅ローンやら、教育費やら払ってて、その残りを投資に回すっていうのはどうなんでしょうか?
結婚して子供がいたら、まず無理です。

必要経費②は、主に
A.図書費、衣服費、交際費等を「勤務必要経費」
B.資格取得費用
の2つから構成されています。

なんと A.日常生活で集められる系は、最大65万円までと制限が付されています。
72万円に至るためには、「資格取得費用」が7万円分は、必須な感じです。
ちゃんとB.「資格取得費用」を使わなきゃなりません。

これって、月2万円の英会話教室やら、3万円のTAC簿記講座ごときじゃビクともしません。
かなりまとまった相当なお金を自己投資にかける必要があります。
やっぱり、Q&Aにある崩壊しつつある「ロースクール」でしょうか・・・

5.しかししかし、なんと節税額が微妙だ・・・

驚きの制度ですが、
頑張ってこんなに高いハードルを越えても、節税額も微妙なのです。

「その割に還付が超少ない…」
この高いハードルを越えて、かつ超えた部分の差額分×税率しか還付されません。
先ほどのサラリーマンAくんを例にとりますと、
年収は平均的な446百万円、このうち、80万円を自己投資に突っ込みました。
一点投下です。なんとか73万円のハードルは超えました。

なんとなんと、これで取れる節税額は、(80万円-73万円)×税率 10% =7千円
(この所得水準では、20%に行くか行かないか微妙なところです。)

7千円です。
7千円です。
な、なんと、7千円です。

※税率は所得によって異なります。


6.ターゲットは誰か?

ここまで来ると、もはや誰得だよ?状態です。
政治家とか、税務署とか、国税役人さんが一生懸命一生懸命Q&Aも作って、その結果がこれです。

しかし、税制改正や税制優遇にはターゲットが存在するはずです。
完全に想像ですが、
見えやすい成果が欲しくって「サラリーマン減税」をぶち上げたい政治家がいて、「官邸主導」で導入提案!
おぉ!それは票につながりそうで良いですね!ということで進めたものの、
財務省に伺いを立てたところ、税収が減少する云々…の悶着があり、
厳しーい成約が付けられ、
骨抜きにされた。
こんなところでしょうか…

マスコミ等々で「サラリーマン減税、スーツも交際費も適用可!!」みたいに騒がれている割に・・・です。

では誰がターゲットか?という
①20代~30代前半
②独身(子供いない)
③ロースクールに行ってる(又はガッツリ自己投資してる)
④お小遣い帳をちゃんとつけてる
という二宮金次郎さんみたいな人が想定ターゲットだと思います。

7.無理目なものを突っ込んだ場合の税務リスク=あんまりない

ぶっちゃけ、個人のサラリーマンに税務調査が入る・・・あんまり聞きません。
そもそも個人所得税の中で税務調査をするという中に、
この税制が対象となるようなサラリーマンは含まれていないんです。
残念ながら税務署としては、眼中にありません。

だって、個人課税部門の役人どもはそれなりに忙しいのです。
だったら、どこを狙うか?っていうと、大型案件を狙いますよね。
だって、税務調査してもこれぐらいだったらたかが知れてるから・・・

なので、ドキドキしながら
「ビジネスカジュアルでユニクロの服だけど、これって入れちゃダメかな?」
なんて議論してもしょうがないのです。
結構無理っぽくっても突っ込んでOKです。
ただ…一点、
「会社ぐるみで、やりまくってやるぜ!」と、
マスコミでニュース価値がありそうな面白系のネタをやると
税務署が、見せしめのために、1号をガッツリ厳しめに宣伝する可能性がありますのでご留意ください…

8.まとめ

じゃあ、どうするんだ?っていうことですが…
「まずは、お小遣い帳を付けましょう」という意味不明な提案になってしまいます。
これを付けてないとそもそも適用できません。
強いて言えば、まとめると、こんな感じになります。
——————————————————–
①取りあえず、領収書は集めて、お小遣い帳(資金収支表)を付けましょう。
②「給与支払者が認めれば…」という条件の元、結構幅広い範囲が認められる
③達成するハードルは結構高い割に、頑張って集めまくっても医療費控除と同じぐらいのインパクトしかない
④税務リスクについて=多少無理っぽいものでも突っ込んで大丈夫(だと思います)
⑤税制のターゲット=20代~30代、独身(子供いない)、住宅ローンなし、ロースクール通ってる、お小遣い帳つけてる人
⑥結局、改正されても使い勝手、悪すぎる・・・
——————————————————–

影響額算定シートはこちらになります。
サラリーマン減税 スーツやキャバクラ代 自腹の救済拡大?!特定支出控除判定ツール.xlsx

2016年05月04日 (水)

銀行が「貸したい会社」/「貸したくない会社」_銀行格付け.xlsx

日銀政策によりマイナス金利になり、銀行は事業モデルを大きく転換することが求められました。
貸出利率が1/2になるということは、貸出金額を2倍にしなければ、これまで同様の利益を確保できないことを意味します。
今、銀行としては、「優良な貸出先」を血眼になって探しています。

さて、ここで「優良な貸出先」がどの程度のものなのか?ということが気になります。


1.決算書による企業格付け

金融機関はどのように格付けを行うか?というと、「人物を見て…」というファジーな基準で評価すると、金融庁に怒られてしまうため、審査基準を設けています。

まず、「決算書による融資先ランク付け」を行います。
ここで、決算書の財務分析による評価は、絶対的な評価ではなく、銀行内のすべての融資先の相対的な評価になります。
金融機関ごとに評価方法は異なります。同じ会社への評価であっても、A銀行とB銀行の評価は一致していません。
また、タイミングと方針によっても異なります(支店長の方針など)。
単純に赤字だと融資が断られる…と思われる方もいますが、ここまで単純でもありません。

各金融機関は、自社の評価数値を公表していませんが、昔、旧三和銀行(現 三菱東京UFJ銀行)が公表していた時があったそうです。
これによると、当時の評価基準は下記の通りだそうです。

2
まず、200点満点の中、定性要因は71点、定量要因は129点と、定量評価が重視されています。

そして、定量要因129点は、①安定性/②収益性/③成長性/④返済能力に分かれていますが、
内訳は、

④返済能力:45点
①安定性:37点
③成長性:28点
②収益性:19点

定量評価の中でも④返済能力と①安定性に重点が置かれています。

つまり、銀行が「貸したい会社」というのは、収益性や成長性が高い会社…というよりも、
社歴がある程度あって、返済能力や安定性がある会社ということになります。

「財務指標をいじることで、指標を上げましょう!」という財務コンサルタントもいるようですが、
銀行の評点内部事情を知っていればできそうな気もしますね…

 

2.融資先のランク付け

融資先の評価基準は下記の5分類に分けられています。

正常先:業績が良好で財務内容に特段の問題がなく、延滞もない。
要注意先:業績不調、財務内容問題がある。延滞先/貸出条件緩和先など。
破綻懸念先:経営難にあり、改善状況なし。長期延滞。
実質破綻先:深刻な経営難。再建の見通しなし。
破綻先:破産などの法的手続き開始。取引停止処分発生先。

3

点数は、上記の旧三和銀行の評価軸と合わせてあります。
自社に当てはめてみると、自社の相対的な評価を知ることができそうです。

3.便利なエクセル

決算書を3期分準備して頂けると、自社の位置を簡便的なエクセルを準備しました。
自社の格付け評価の目安にお役立ていただければ幸いです。

銀行格付_サンプル_旧三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)の場合.xlsx

4.金融庁検査マニュアル

さて、半沢直樹の中でたくさん出てきた「金融庁検査マニュアル」というのは実際に公表されています。
「金融庁検査マニュアル」
「金融検査マニュアル別冊〔中小企業融資編〕」

中身を見てもふーむ…と言ったところですが、別紙〔中小企業融資編〕の事例編(P23以降)を読むと、安心して頂けるかと思います。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

2016年04月30日 (土)

超高度に複雑化した地方税の概略図 _平成27年改正(プロ向け)

超高度に複雑化した地方税の概略図

なんでどうしてこうなっちゃったの?と不思議な地方税の申告様式…
仕組みを解説しました。

1

解説したエクセルファイルはこちらです。
地方税(事業税法人住民税)概略図.xlsx

2

3


 

*1 事業税の「所得金額」
(目的)
事業税を計算するために基準となる利益を求める
事業税用の別表4(所得金額計算)に相当するもの
法人税の計算ロジックとは別の方法で「事業所得」を計算するため、分けられている(医療法人など)。
(法人税)別表7 の繰欠 控除前 の数値

*2 (国税)法人税 の計算
「資本金」1億円以下の中小法人は、800万円以下 15%の軽減税率あり(800万円超 23.9%)
(国税)地方法人税 の計算
法人税額に対して 4.4%

*3 (国税)中間納付 と控除税額
源泉所得税として前払した税額と、中間納付法人税額/中間納付地方法人税額 を差し引く
なお、適用初年度(H28年3月期など)は、地方法人税の中間納付はない。

*4 付加価値額及び資本金等の額の計算書
左側ブロック:付加価値額の計算
それぞれの計算シートにて算出した金額のリファーを受ける
右側ブロック:資本金等の額の計算
資本金等が1,000億円超の超大法人には緩和規定がある(⑰~⑲)
下側ブロック:資本金等の額の計算
(国税)別表5(1)と同額が記載される

*5 報酬給与額に関する明細書
①役員又は使用人に対する給与
①役員又は使用人に対する給与
(目的)
付加価値計算の報酬給与額&都道府県分割基準の基礎 を収集する
(必要な情報)
・都道府県別の所在地…名称(東京営業所)と所在地住所を記載
・所在地別の期末日時点の従業員数
・所在地別の支払給与額
(留意事項)
①期末時点の人数
・工場補正(1.5倍)はない。単なる期末時点での人数でOK
・派遣社員は含まない(75%補正があるため)
・役員はカウントに含みます(従業員としているものの…)。
・顧問は、非常勤役員などの顧問は含みます。ただし、同じ顧問でも弁護士や会計士は含みません(支払手数料など労働分配カウントせず)。
②支払給与額
・役員報酬は含みます(PL外で、別表4加算がある場合には、別途加算します。)
・派遣社員(*6 労働派遣者に計上される75%補正分)は含まない
・通勤手当は含みません(【激レア】ただし、非課税限度額を超える場合は超えた分を含みます)。
・法定福利費(健康保険税/雇用保険税/年金税など)は含まない
・退職金は含みます
・引当金は、税務上損金となった金額を計上することになります(引当増減額)。
(CheckPoint)
□小計金額がPL 人件費と一致していることを確認
□別表4での加算(役員賞与否認など過年度の加算)がある場合、合計に加える
②役員又は使用人のために支出する掛金等
(目的)
PLにおいて「人件費」として計上されていないものの、実質的に人件費(すなわち報酬給与額)となっているものの把握
(必要な情報)・・・もしあれば・・・
・中退金などの 外部拠出退職掛金
・年金基金の事業主負担掛金
③労働者派遣等に係る金額
金額は、(地方)別表6号 別表5の3の2 からリファーを受けるだけ
派遣先に支払った金額のうち25%分は、派遣会社のマージンとみなし、報酬給与額としては75%を計上する。

*6 労働者派遣等に関する明細書
(目的)
雑給の収集
(必要な情報)
・派遣会社別の 会社名/住所/支払金額/派遣人数/労働時間

*7 純支払利子に関する明細書
(目的)
支払利息から受取利息を控除して、純額の支払利息を求める
(Point)
マイナスの場合(支払利息<受取利息)は、ゼロとなる。

*8 純支払賃借料に関する明細書
(Point)
記載が多数に及ぶ場合、明細別紙として金額だけ1行で記載することはあり
マイナスの場合(支払利息<受取利息)は、ゼロとなる。

*9 雇用者給与等支給額が増加した場合の付加価値額の控除に関する明細書
アベノミクス政策の1つ、平均給与及び給与総額を一定以上増加させた場合には減税が受けられる

*10 平成27年改正法附則 第8条又は9条の控除額に関する計算書
事業税率の引き上げ改正(赤字法人課税強化)の影響を緩和させるための控除

*11 課税標準の分割に関する明細書
(目的)
左上側ブロック:事業税に関する ①所得金額/②付加価値金額/③資本金等の額 を上記で計算してきた他シートよりリファーを受ける
右上側ブロック:道府県民税 を計算するため、 (国税)別表1 より税額のリファーを受ける
下側ブロック:所在地(都道府県別(市区町村は関係ない))に、事業税と道府県民税 を分割する
「分割」を行った後に、47都道府県別に「都道府県民税・事業税・地方法人特別税の確定申告書」をそれぞれ作成する。
(必要な情報)
・都道府県別の期末日現在の従業員数(原則)
・工場であるか否か
(留意事項)
・微妙なところで、切捨て等がある
・単位は「円」と書いてあるが、「千円」単位での記載
・「事業税(左)」と「道府県民税(右)」の分割基準は、「工場」がある場合に異なる!

*12 都道府県民税・事業税・地方法人特別税の確定申告書
分割後の金額に対して税額を乗じ、税額を確定させる

(留意事項)
東京23区の事業所は、(地方)20号様式 はなく、別表6号 だけで完結する。
23区内の都道府県民税率は高いため、税率差はあまりない
「利子割額への充当」・・・

*13 法人市民税申告書
2以上の市町村に事務所等を有する場合は、
法人税額等を日本国内における従業者数の合計数で除して従業者一人あたりの分割課税標準額を算出し、
その一人あたりの分割課税標準額に各市区町村の従業者数を乗じて算出します。

*14 基準法人所得割額及び基準法人収入割額に関する計算書
意味不明・・・

*15 欠損金額等及び災害損失金の控除明細書
事業税独自の繰越欠損金

2.感想

「政策」を継ぎ足し継ぎ足しで、気が付いたら大きくなっちゃいました!という状況のようです。
グランドデザインないままに走ったらこんな風になっちゃうようです。
国税と地方税って、意味不明なくくり、辞めた方が日本のためになるんですが…


(参考資料)

(地方)別表6号 都道府県民税・事業税・地方法人特別税
(地方)別表6号 別表5の3 報酬給与額に関する明細書
(地方)別表6号 別表5の3の2 労働者派遣等に関する明細書
(地方)別表6号 別表5の4 純支払利子に関する明細書
(地方)別表6号 別表5の5 純支払賃借料に関する明細書
(地方)別表6号 別表5の6 雇用者給与等支給額が増加した場合の付加価値額の控除に関する明細書
(地方)別表6号 別表5の7 平成27年改正法附則第8条又は9条の控除額に関する計算書
(地方)別表6号様式別表5の2 付加価値額及び資本金等の額の計算書
(国税)別表1(1)
(国税)別表1(1)次葉
(国税)別表4(簡易様式)
(国税)別表5(1)
(国税)別表5(2)
(地方)6号様式 別表4の3 均等割額の計算に関する明細書
(地方)6号様式 別表14 基準法人所得割額及び基準法人収入割額に関する計算書
(地方)9号の2様式 利子割額の控除・充当・還付に関する明細書
(地方)9号の3様式,利子割額の都道府県別明細書
(地方)10号様式 課税標準の分割に関する明細書
(地方)20号様式 法人市民税申告書
(地方)22号の3様式 均等割申告書

外形標準課税収集キット.xlsx