2016年11月01日 (火)

クラウドサービスMAP/その1「クラウド会計ソフト」の選び方

1.クラウドサービスの全体像

中小企業のバックオフィス業務はハイテク国家日本にありながら、紙、FAX、郵送に依存しており生産性が低いまま放置されていましたが、2010年ころから様々なクラウドサービスが誕生してきており、次々にバックオフィス業務の革命が起きています

スプレッドシートといえばMicrosoft Excel」といったように、クラウドサービスのベンダー各社はそれぞれの分野でNo.1ポジションを目指して、ユーザー獲得とサービス開発に必死です。まさに戦国時代といっていいでしょう。

この記事では、ユーザー視点で「今、各種クラウドサービスを選ぶならどの組み合わせがBESTか」をズバリご紹介していきます。

クラウドサービスMAP 2016

2.クラウド会計ソフトの選び方

中小企業向けクラウドサービスの中心的存在です。すでに従来型の会計ソフトを導入している会社も次々にクラウド会計ソフトへの切り替えを進めています。これから起業する、あるいはまだ起業して数年しかたっていないという企業の経営者であれば、まずは会計ソフトからクラウドの導入を始めましょう。

■なぜクラウド会計ソフトが注目されているか。ポイントは4点。

 ①自動で帳簿がつけられる

経理の時間が80%削減できる!」、「経理の効率が50倍になる!」などと宣伝されていますが、帳簿作成の自動化がクラウド会計ソフトの最大の特徴です。クラウド会計ソフトを利用した場合の帳簿作成の流れは下図のようなイメージです。

“完全自動”とまではいきませんが、簿記2級程度の真面目なアルバイトを雇っているようなイメージです。帳簿を正確に完成させるためには、ベテランの経理スタッフを雇うか会計事務所のサポートを受ける必要はあるでしょう

クラウド会計を利用した帳簿作成の流れ

 ②マルチデバイス対応

クラウド会計ソフトの場合はIDとパスワードがあればどの端末からでもアクセスができるため便利です。また、Macに対応しているというのも若手経営者に喜ばれることが多く、スマホやタブレットからでも操作可能ですので、外出先でサクッと数字の確認をするなど、従来の会計ソフトではできなかった使い方ができます。

③情報共有が楽ちん

クラウド会計ソフトではオンラインで同時に同じ会計データを閲覧できるので、会社と会計事務所とのコミュニケーションのスピードが段違いに速くなります。例えば会社側から質問がある場合には、「ここの画面のこの部分が分からない」ということをダイレクトに伝えることができます。
また、会計事務所から会社に対して、資金繰りなど経営上の注意点を気づいたその場でアドバイスができるようになります。

④リーズナブルな料金設定

クラウド会計ソフトの利用料は必要最低限の機能に限定したエコノミークラスで年間2万円程度、請求書作成ソフトや給与計算ソフトなども使えるビジネスクラスで年間5万円程度です。弥生会計シリーズより若干安い価格設定です(毎年のバージョンアップごとに買い替えた場合)。クラウド会計特有の利便性を考慮するとコストパフォーマンスは極めて高いです。

 

■MFクラウド会計がお薦め

クラウド会計ソフトにも多くの種類がありますが、税理士法人ファーサイトでは基本的にMFクラウド会計をお薦めしています。ポイントは3点です。

従来の会計ソフトと操作感が近いく、会計事務所によるサポートが容易。結果として、より価値の高いコンサルティング業務に時間を割いてもらえる。

新規の顧問先企業からよく聞く会計事務所切り替えの理由に「事務処理屋になっていて、税理士らしい提案がない」というものがあります。前任者の能力的な問題もあるかもしれませんが、実際に記帳代行等の事務処理量が膨大になっていて、「これではとてもコンサルティングまでは手が回らなかっただろうな」という状況もしばしば見受けられます。(もちろん、経理の専門家である会計事務所がリーダーシップをとって、事務処理に要する時間を短縮できればいいわけで、そういう意味でも問題があったのかもしれませんが・・・)
MFクラウド会計は既存の会計ソフトと同じ操作感覚で扱えるので、会計事務所のプラスアルファのサポートを引き出す力があります。

部門別管理など、少し高度な処理も難なく対応できる

MFクラウド会計は他の市販パッケージ会計ソフトと比べて遜色ない機能を実装しています。
例えば、部門は2段階(「関東事業部」の「埼玉部」など)に設定ができ、共通経費の配賦も科目ごとに設定が可能です。
また、過去月の帳簿のロック機能もありますので、内部統制対応も運用次第で可能です。

③将来IPOを目指すなどより堅牢な会計ソフトが必要になった場合にも対応しやすい

後述するfreeeは今までの会計ソフトよりも2歩も3歩も先んじた思想をもっており、経理の知識がない人でも簡単に使いこなせるようにチューニングされています。例えば「タグ」という概念は今までの会計ソフトにはなく、補助科目や部門コードも「タグ」で表現しようという発想は最高にCoolだと思います。
ただ、その反面、既存の会計ソフトの常識をいくつも無視していますので、ワンランク上の会計ソフトへの移行は難儀なものになるでしょう。会社の成長の先にあるIPOや外部資本との経営統合等を視野に入れたときに、「ドン詰まる」恐れがあります。世間がfreeeさんのスピードについていけてないとも言えます。
その点、ライバルのMFクラウド会計は堅実な優等生的スタンスで、先輩会計ソフトを見習ったお馴染みの機能を盛り込んできていますので、MFクラウドを卒業した後の切り替えも心配はありません。

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-12-09-22-27-05

 

■こんな人にはfreeeがお薦め

会計事務所に頼らず、自分で会計ソフトを使いこなしたい」という方や「個人規模でのビジネスを考えている」という方にお薦めです。もちろん、税理士法人ファーサイトはfreeeを使ったサポートも多くの実績がありますので、十分なサポートが可能です。

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-12-09-22-28-40

 

【関連記事】
クラウドサービスMAP その1「クラウド会計ソフト」の選び方
クラウドサービスMAP その2「売上管理系ソフト」の選び方
クラウドサービスMAP その3「人事系ソフト」の選び方
クラウドサービスMAP その4「金融機関」、「クレジットカード」の選び方

【2017.1.14追記】
>関連書籍
『会計事務所と会社の経理がクラウド会計を使いこなす本―これ1冊ですべてわかる!』
>関連記事(ダイヤモンドオンライン)
「クラウド会計」に弱い税理士と付き合ってはいけない理由

関連記事