2015年07月23日 (木)

外国人投資家が日本の不動産に投資する際の税務

最近の円安進展の中、外国人投資家が日本の不動産に投資をしたいという御相談が増えています。
そこで、日本に居住していない外国人投資家が日本に対して不動産投資する場合の留意事項をまとめました。
(2015/07/23更新)


1.外国人投資家が日本に対して投資する場合には、納税管理人を届出る必要がある
2.税金は、主に5種類あり、それぞれ取扱管轄が異なる
3.所得税は、「支払側に」20.42%の源泉税納付が必要な場合がある
4.個人事業税は、納税義務がないにも関わらず課税されてしまうリスクがあるので要注意
5.国内投資家とは法人化メリットの事情が異なる


1.日本への不動産投資と税制について

日本に居住していない外国人が日本への不動産投資をする場合には、「個人所得税」と「固定資産税」,「消費税」という3つの税金がかかります。
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外国人投資家は、日本に居住していないため「個人住民税」10%はかかりません。また、通常事業所はないため、「個人事業税」5%は基本的に発生しません。

以下、簡単にご説明します。

2.個人所得税

個人所得税は、所得(利益)の大きさに応じて5~45%の税率がかかります。
外国人が日本に不動産投資した場合でも、外国人も納付義務を負います。

※(プロ向け)源泉所得税について
通常、国内法人⇒国内法人、国内法人⇒国内個人への支払については源泉所得税の対象とはなりません。
しかし、国内法人⇒国外個人又は国外法人への支払は、源泉徴収の対象となるため注意が必要です(所得税法212条1項、所令328条二)。
(この場合、納付用紙は若干特殊になります。)

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3.固定資産税

固定資産税は、「国内に固定資産を有する」ことを理由として市区町村に納めるものです。
外国人が日本の不動産に投資した場合でも、この事実は変わらないため、納付義務を負います。
税率は3年に1度、時価の見直しがされます。

4.個人住民税

個人住民税は、課税のタイミングが年に1度、1月1日現在、日本に住んでいるか?により決定されます。
外国人投資家は、居住の地は外国であり、1月1日時点で日本にいないため、「日本では」対象外となります。

5.個人事業税

事業税は、国内に事業所があり(*1)、かつ、大規模である場合(*2)に課税されます。
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*1:(国内に)事業所があるか否か
事業税(じぎょうぜい)は、地方税法(昭和25年7月31日法律第226号)に基づき、法人の行う事業及び個人の行う一定の事業に対して、その事業の事務所又は事業所の所在する道府県が課す税金である。
事業税というのは、「事業『所』税」とした方が分かりやすいかもしれません。
*2:大規模・・・収入10百万円以上かつ総面積600㎡以上、またはアパート10室

外国人投資家の場合、大規模要件(*2)は満たすとしても、事業所要件(*1)を満たすのは珍しいと思います。
しかしながら、事業税は要件判定がある上に、役所側が課税するか否かを決める「賦課課税」方式を採用しているため、うっかりすると必要がないにも関わらず納税してしまうリスクがあるので留意が必要です。

6.消費税について

消費税は、国内の他の事業者と同じように発生します。
免税事業者だけれども、あえて課税にした方が有利となる場合もあります。
住宅用不動産が非課税である点は同様です。

7.法人化の有利不利は国内事業者と異なる

上記のように、外国人投資家は有利不利所得ラインの判定が国内事業者と異なります。
税率が異なるため法人化の試算も異なります。
最近は法人税率の引下げ、所得税率の引き上げというトレンドから、法人化の増加が予想されますが、日本人と異なる点、ご注意ください。

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最後までお読み頂きありがとうございました。

 

参考リンク先

国税庁(所得税率): https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm
国税庁(源泉所得税):https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/jimu-unei/shotoku/gensen/080623/05.htm
東京都主税局(事業税):http://www.tax.metro.tokyo.jp/kazei/kojin_ji.html
東京都主税局(固定資産税):http://www.tax.metro.tokyo.jp/shitsumon/tozei/index_o.htm

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