2015年08月18日 (火)

死んだらチャラになるはずの住宅ローンの保険策「団信」・・・しかし、思わぬところで税金がかかってしまった事例_連帯保証人と連帯債務者

死んだら住宅ローンがチャラになる 生命保険「団信」
しかし、全てがチャラにならないケースもあります。
(2015/08/18更新)

 

1.思わぬ落とし穴=連帯債務と所得税課税

団体信用生命保険は、加入者が亡くなったり、高度障害状態になったりしたときに、保険金がおり、債務がなくなる保険で、
住宅ローンを組まれるときに大部分の方が入られると思います。

しかし、住宅ローン契約が連帯債務の場合、税金まで含めて全てが全て死んだらチャラにならないケースもあります。

国税不服審判所で、一時所得としての所得税がかかるとして、争われた事例があります。
高齢のお父さんAと連帯債務者として名を連ねた息子さんBの二世代住宅、
お父さんAが亡くなり、「団信」により保険金が下りました。
これにより、住宅ローンの返済は全て完済となりましたが、
結果的に、連帯債務者の息子さんBの債務免除となったローン部分について、所得税(一時所得)という税金が課税されました。

住宅ローン会社の都合により、棚ボタ的に借金チャラになったBさん分は、本来的には、借金チャラになる必然性はなかったとして課税されたというものです。

 

A.納税者の主張

□金融機関から「お父さんが高齢で心配なので、名義上だけですから・・・」と言われ、その通りに実行した。その証拠にローン返済も全てお父さんが行っていた。
□書面としては残こしてはいないものの、口頭ではお父さんと特約の取り決めをしていた(契約は口頭でも有効)。

B.課税庁側の主張

連帯債務者でかつ、当初、登記割合が異なっていた
□実際、ローンを組んだ「当初」はお父さんに送金をしていた(当初返済をする意思があっただろう)

 

2.連帯保証人と連帯債務者の違い

裁決事例の内容をよくよく読むと、贈与したり、更正請求するなど、納税者側に怪しい点はいくつかあるのですが、
この裁決事例で決定打になったことは、「連帯保証人」か「連帯債務者」かという、住宅ローンの契約内容が異なるということでした。

①「連帯債務者」・・・夫婦共稼ぎのAさん、Bさん、住宅ローンAさん、Bさん それぞれ負担/返済する。
②「連帯保証人」・・・住宅ローンを支払うのはあくまでAさんで、連帯保証人BさんはAさんが支払えなくなって始めて義務が生じる。

①連帯債務者については、それぞれローンを抱え、それぞれが支払うこととなります(資産もそれぞれのものになる)。
一方、②連帯保証人は、ローンを抱え支払う人は1人だけ、保証人は万が一 主債務者が払えなくなった払えなくなった場合に支払う というもので

そもそも契約内容が異なるのです。

 

3.連帯債務者は住宅ローン控除をダブルで取れるが、借金チャラになった場合には税金がかかる

②連帯保証人の場合、住宅ローン自体が一方しかないため、住宅ローン控除はAさんしか受けることができません。
一方、
①連帯債務の場合、Aさん/Bさんにそれぞれ債務と同時に資産があるため、ダブルで住宅ローン控除を受けられます。

夫婦共稼ぎの場合、住宅ローン控除を取れる分、連帯債務の方がメリットありそうです。
ただし、①連帯債務者として組むのか、②連帯保証人として組むのか、契約内容をご確認下さい。

最後までお読み頂きありがとうございました。


平18.12.15、裁決事例集No.72 218頁
(所得区分/一時所得) 住宅ローンの連帯債務者が、団体信用生命保険に加入していた他の連帯債務者の死亡により住宅ローン債務が消滅したことにより受けた経済的利益は、一時所得に当たるとした事例(①平成15年分の贈与税の更正の請求に対してされた更正処分、②平成15年分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分・①一部取消し、②棄却・平18-12-15裁決)      【裁決事例集第72集218頁】
http://www.kfs.go.jp/service/JP/72/14/index.html

関連記事