2016年01月14日 (木)

減資した場合の資本金の取り扱い(H27税制改正/プロ向け)

平成27年度税制改正で複雑になった減資と資本金等の関係を会計と国税と地方税の3つの視点から整理しました。

【事例の前提】
・当初資本300(うち資本準備金100)であったが、その後事業赤字拡大により利益剰余金が▲150になった。
・減資を行い利益剰余金のマイナス▲150を資本金から取り崩す(厳密には準備金から取り崩し)。
・シュミレーションのため、自己株式▲30を保有していることとする。
・単位:百万円
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この場合の資本金と資本金等の額の
会計と国税と地方税のそれぞれの判定金額は下記の通りにまとまります。
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(1)会計の視点

会計上、資本金等は、減資後の「現在の元手」150で考えます(=200+100-150)。
会計では、過去の利益の積上げである利益剰余金と、元手の資本金等の区別を重視しています。

(2)国税(法人税)の視点

①法人区分の判定は、「法律上の資本金」金額50で行います(=200-150)。
法人税法では資本金と資本準備金の区別を重視しています。
なお、法人税法上、「法律上の資本金」金額は100以下となるため中小法人となります。
②資本金等は、累積投資額300(=200+100)となります。過去の赤字▲150は考慮しません。
法人税法では、会社の大きさの尺度として「過去からの累積投資金額」を重視しています。

(3)地方税の視点(自己株なし)

①均等割
均等割は、過去の累積赤字▲150を考慮し、資本金等150となり会計上の資本金等と一致します(改正ポイント)。
なお、改正前はここが(2)国税の資本金等(累積での総投資額)と同額300でした。
②外形標準(資本割)
外形標準(資本割)はH27年改正の影響を受けず、(2)国税と同様に株主の総投資額300で計算します。

(4)地方税の視点(自己株あり)

(3)自己株なしとは、「均等割」が変わります。
自己株式30を資本金等から控除する点に改正はありません。
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(5)留意事項とまとめ

※適用開始事業年度:平成27年4月1日以後に開始する事業年度
※変更箇所:①地方税の均等割、②自己株式がある場合の国税&地方税の資本金等
※改正年度の中間申告の均等割:改正の影響を受けません(減資前の金額で計算)

 

最後までお読み頂きありがとうございました。
ご参考になれば幸いです。

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