2013年06月25日 (火)

Factory Girls: From Village to City in a Changing China

FG1

この写真、僕がこの数年で一番の衝撃を受けた光景です。

上海のガイドブックを忘れてしまいました。
日本語は通じません。
英語もあんまり通じないので、ガイドブックが痛切に必要になりました。
そこでなんとか探した上海の本屋さんに入りました。
複合商業施設に1フロアながら丸の内丸善の1.5フロア分ぐらいの広さがある大きい本屋さんでした。

不思議なことにこの本屋さん、、、机とスタンドが置いてあるんです。
まぁ、確かに、東京でも最近、大きい本屋さんには椅子が置いてありますよね
確か「ゆっくり本を選んでもらうため」みたいな趣旨だったと思いますが・・・
そしたら売れないだろ!とつっこみたくなりますが、

しかしながら、この上海の本屋さん、椅子だけじゃなくて、机まで用意してあるんです。
さらに電気スタンドまで!あれ?と。

学生と思われる人が多数思いっきり、本を開いて勉強している!
もはや完全なる図書館として使っています!
みんなメチャクチャ真剣なんです。
歩き疲れていたのもあって、
平積みされている本のうち気になった本を手にとって読み始めました。
気になった本というのは、
「Factory girls」という本。
http://www.amazon.com/dp/0385520182
タイトルも秀逸ながら、内容も、中国の工場に勤めている少女たちを追ったルポ
かなり濃い感じの内容でした。
見た瞬間、すごい!と感じる本です。
09年に出版されていますが、なぜか平積みに・・・

中国の格差だったり、不均衡だったり、あらがえない現実だったり、
でも、そんな彼女たちも人間で
いろんな葛藤があって・・・という内容

Made in China というシールを貼り続ける仕事を永遠とし続ける
長時間労働で
入れ替わりも激しくて
寮に住み込みで
休みは日曜日だけで
食事も貧相で
友達を作りのも簡単なことじゃない
そして最低賃金
でも、地方の農村にいるんじゃなくて、
それでも工場に出稼ぎに行く
休みの日に街でアイスクリームを食べるのが楽しみ
でも、そんな彼女のうちにも、好きな人ができたり、結婚したり・・・

シール貼る仕事なんてスキルアップとか、キャリアとか、やりがいとか
そんなもの関係ないんです。

あるわけない。

自分探しなんて・・・
旅行なんて・・・
家に仕送りしたりしなきゃならない。
6ヶ月縛りという契約で途中で逃げ出すと違約金を払わなきゃいけない。

「中国製」
そこに、どれだけの重みがあるかを感じました。
その背景にどのようなものがあるのかを少しだけ感じました。
たまたま読んだ部分のルポの対象者は僕の1コ下でした。

ふと目の前を見ると、
本屋さんを図書館として使っている学生っぽい少年がいました。
20歳ぐらいでしょうか・・・
Lenovoのシャツを着ています。
きっと、本屋さんが入っている複合商業施設の1階のLenovoで働いているんでしょう。

そんな彼が、なんかの国家試験のテキストと辞書を開いています。
もちろん未購入。
必死に小さいノートに書き写しています。
そばにはペットボトルに入れた水を置いています。
「Factory Girls」の話と重なりました。
彼もまた、この現状から抜け出そうとして頑張っている一人でした。

そして、本屋さんの机の上にある置物が目につきました。
中華料理屋さんとか、コーヒーショップに置いてある、メニューとかの紙が挟まって立つアクリルスタンドです。
中国語なので、漢字を追うと、
「この本屋さんでは、このように本を解放してあります。
それは、青年たちが本を好きになってくれることが業界の発展につながると考えているからです」
と読み取れました。

この、頑張っているLenovoの青年と、
こうやって解放する本屋さんの懐の広さにやられました。
「Factory Girls」にもやられました。

何やってるんだろ・・・自分と。
頑張らなきゃやばいな・・・と。
そして、何より、のほほんと過ごしていたら、絶対負ける
というか、それで負けなきゃ逆に不公平だろうと思いました。

「XX年後の日本経済は、高齢化によって衰退している。」
とかいうエコノミストの発言は、当たっている。と感じました。
それは、本当は日本の経済云々じゃなくて、「この必死さ」に負けるから衰退すると感じました。

こんなに頑張っている学生が数億人単位でいる世界
「君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか?!」を書いた田村耕太郎さんが、
「日本に生まれただけで金メダル」ということを言ってたことが分かりました。
すごいシード権だと思うんです。日本に生まれたってことだけで。

ブルーハーツが「生まれたところや、皮膚や目の色で、いったいこの僕の何がわかるというのだろう」と歌ってましたが、
今の現実は「生まれたところで」差がついているのも事実でした。
そして、それを活かせるか、殺しちゃって、10年後に逆恨みみたいにひがんじゃっているのかは・・・
今にかかっている。
そう感じました。

fg2

関連記事